運動神経が良い子に育てたい

子どもの運動

運動神経が良い子に育てたい

と、相談されることが多々あります。

運動神経って何?

どうしたらスポーツ選手のように運動神経が良い子に育つの?

運動神経って遺伝するの?

運動ができる子になってほしいと願う親は多いようです。

今回はいわゆる“運動ができるorできない”の“運動神経”についてのお話です。

「運動神経が良い子」に育てるには

そもそも“運動神経”って何?

よく「運動神経が良いね」なんていう会話で使われたりする「運動神経」という言葉ですが、正確には、体にある末梢神経の一つです。

中学の理科で習うらしいです(^^;。下図を見ていただくと思い出す方がいらっしゃるのではないでしょうか。※下図は運動神経の働きの例です。

ざっくり説明すると、運動神経は、脳や脊髄からの情報を手足などに伝えます。そう理解できると、「運動神経が良いね」という言葉は、運動が得意不得意を表す言葉にはならないことがわかります。

今回の記事タイトルは、わかりやすいように「運動神経が良い子」と書きましたが、本来であれば一刻も早く変えた方が良いということがわかりますね😂。

より詳しく知りたい方は、「末梢神経」「運動神経」で検索してみてください(^^)

運動神経は遺伝するのか

結論から言います。

運動神経は遺伝しません。

これは、いわゆる“運動ができる(得意)”“運動ができない(不得意)”を意味する、一般的(?)な「運動神経」というものです。運動能力に大きく関係する筋肉の性質や骨格などは遺伝します。

 

しかし、「私が運動が苦手だから、この子も苦手なんです」なんて言われたりすることもあります。

こちらも結論を言います。

それはズバリ、遺伝というよりも親子で過ごす環境が同じだからです。

テレビや映画鑑賞が好きな親が、休日に子どもと一緒にテレビや映画を観るとします。その時間、親も子どももおそらくほぼ座っています

では、とにかく体を動かすことが好きな親はどうでしょうか?

天気が良ければ公園やプールに出かけたり、子どもが大きければ一緒にランニングをしたり、あるいは自分の趣味のスポーツの場(練習・大会等)に子どもを連れて行ったりするかもしれません。

その間、子どもがずっと座っていたり寝転んでいる時間はほぼ無いと思います。

子どもが運動できるかできないか、運動が好きか好きではないかは、日常生活の積み重ねの結果なのです。

子どもの運動能力には、親の意識や生活習慣などが大きく影響しているようです。

子どもの運動能力と両親の意識や生活等との関係について、多くの研究結果が報告されています。

・「子どもの運動能力について、母親の運動経験や活動性、親の運動に対する意識、親の運動志向、経済的要因について、世帯収入や家族形態と体力との間に有意な関係性を認めた」(石原ら,2015)

・「両親の学歴の高さ、父親の運動有能感の高さ※、親子でのスポーツに関する会話頻度の高さが、体力および学力の発達と有意な関連が認められた」(大坪ら,児童の体力および学力と家庭環境との複合的関連,体育測定評価研究(2023))※父親自身が、運動やスポーツが得意だと感じているということ

※少なくて申し訳ないです。論文は見つけ次第、更新・追加修正していきます。

 

どういう生活をすれば運動ができるようになるのか

子どもは、発達段階で伸びやすい能力が異なります(下図)。

図の左から右にいくにつれて3歳~20歳と、横軸が年齢になっています。

有酸素性持久力やコーディネーション能力、可動域(柔軟性)3歳ごろから発達しやすいことがわかります。

最大筋力や無酸素性持久力は、思春期後半~思春期後に発達しやすく、これは性差もあります。

ちなみに9~12歳頃「ゴールデンエイジ期」と呼ばれ、さまざまな動作や技術を学ぶ準備が整っている時期と言われています。⇒スポーツを習い始めるのに適した時期でもあります(幼児期に土台ができていれば)。

体力ピラミッドの土台を大きくしよう

 

「体力ピラミッド」という言葉を聞いたことはありますか?

土台が大きいほど、ピラミッドは高く大きくなります=体力が高くなります。

しかもこのピラミッド、先ほどの「発達段階で伸びやすい体力」の図にあったように、土台部分は幼児期に伸びやすい要素で構成されています。

ということは、幼児期にどれだけ土台を大きくできるかによって、将来的な体力の高さが決まるということなのです。※例外もあり。

しかし、幼児期に十分体を動かすことなく、土台が小さいまま成長し・・・

中学、高校生になって部活でガンガン筋トレや技術力を鍛えるとします。

すると、ピラミッドの土台は小さいのに、上の方が大きい、頭でっかちのピラミッドになってしまいます(イメージ)。

そのようなバランスの悪いピラミッドは崩れやすいです。

ピラミッドが崩れるとは何を意味するか。それは、『ケガしやすい』『みんなと同じようにやっているのに上達しない』等々という結果で現れるということなのです…!

ではどうしたらピラミッドの土台を大きく、体力ピラミッドを将来的に高くできるのでしょうか?

まずは「発達に合わせた子どものからだづくり」の記事をご覧ください(^^)

今度、幼児期、小学生期、中高生期など、年代別に記事を随時アップしていきます!

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Yuki*M

【教育学博士】、【NSCA認定CSCS(全米ストレングス&コンディショニング協会認定ストレングス&コンディショニングスペシャリスト)】、【健康運動指導士】、【中学校・高等学校専修免許状(保健体育)】他

大学卒業後、中学校で保健体育教諭として勤務。その後、子どもたちの生活習慣改善と運動能力向上について学ぶため、大学院へ進学。

大学院修了後、子どもの生活習慣改善と運動能力向上についての研究を続けながら、小児科クリニック肥満外来にて子どもと保護者を対象に生活・運動指導を行う。そのかたわら、“望ましい生活習慣”、“楽しく運動能力向上”、“親子でからだ遊び”等をテーマに、県内外で保育園や幼稚園、小学校等で保護者や子ども向けの講習会や、指導者向けの講習会で講師をつとめた。

現在は公務員として勤務。これまでの知識やスキルを広めるため、また自分自身が学び続けるモチベーションとするため、本サイトをオープン。

純粋に正しい情報を広めたい、新しい情報をアップデートしていくためのHPなので、広告なしの完全非営利HPです**(公務員ですしね^^;)

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